蟷螂子は、現代社会における匿名性という観点から「個」を見つめることを、表現の根底に置いた現代アーティストである。
主なシリーズに、匿名的な女性をモチーフに「個の輪郭」や「他者との距離感」をテーマとした美人画のシリーズと、対象のモチーフを低 解像度の図像として再構築し、史実と虚構が等価なイメージとして循環する構造を批評するLost Visionシリーズがある。
2021年に作家活動を開始し、わずか2年で台湾や釜山など国内外のアートフェアに多数出展するなど注目を集めている。2023年8月には、GINZA SIX内の大丸松坂屋が運営するArtglorieux GALLERY OF TOKYOにて、草間彌生らとともにグループ展に参加。同月には9s Galleryで開催された個展「Do Girls Dream of Electric City?」において、7点の作品すべてが会期前に完売した。同年12月のグループ展「Christmas Miracle」でも2作品が完売。2024年1月の個展「27」では全9点、4月のグループ展「春があなたに出会わせる」では全4点が完売。さらに8月の個展「Kirikogram - #StillTheResistance」では全15点が完売するなど、快進撃を続けている。2025年2月の個展「KAIJU - Awakening -」でも全7作品が完売し、アジア最古のアートフェアであるART TAIPEIにも2年連続の出展を叶え、現代アートシーンでの期待がますます高まっている。
ステートメント
9s Gallery では、2026/2/14(土)から 2026/2/22(日)まで、蟷螂子による新作個展「Lost Vision」を開催いたします。
本展は、これまでの美人画シリーズを主軸とした明確なモチーフ表現から一線を画し、作家にとって重要な転換点となるシリーズ「Lost Vision」を正式に展開するものです。
蟷螂子はこれまで、"個の輪郭"や"他者との距離感"といったテーマを、象徴的なイメージを通して鮮烈に描出してきました。しかし本シリーズにおいて、より曖昧で解釈の余白に満ちた視覚体験へと表現を展開しています。「Lost Vision」では、焦点が揺らぎ、形が定まりきらない瞬間が絵画の中にとどめられています。粘りを残した顔料が重なる画布には、"ま だ見えていない状態"が可視化され、「鑑賞者が探す」主体的な姿勢へと導く設計がされています。そこには、おぼろげな記憶を巡り、史実と虚構の境界に触れようとする作家の探求が確かな形を伴い浮かび上がってきます。美人画シリーズが持っていた瞬発的な伝達力とは対照的に、「Lost Vision」は静謐さを湛えつつ、鑑賞者に没入を喚起する作品群となります。作品そのものが指示や意味を提示するのではなく、鑑賞者 が自身の知見や体感を介し、内側から図像を立ち上げていく構造を持っています。
新作個展「Lost Vision」は、蟷螂子が今後多様な表現領域へ向かうための大きな一歩であり、創作の可能性をさらに広げる展示になることでしょう。視界の揺らぎの中に潜む気配や、確かでないものが立ち上がる瞬間を、ぜひ会場で体験していただければ幸いです。
展覧会開催概要
- 会期:2026/2/14(土)から 2026/2/22(日)
- 営業時間: 12:00 〜 19:00
- 会場:9s Gallery
- 住所: 〒106-0031 東京都港区西麻布3-24-20 KASUMICHO TERRACE 6F
- アクセス:東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩9分・東京メトロ日比谷線 広尾駅 徒歩10分・東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩10分
- 連絡先: 03-5422-8370
